所要マイクロ波加熱装置の具体化検討

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(2) 工業用加熱装置による加熱実験データの利用

工業用加熱装置を利用して加熱実験を行い、得られた処理条件(処理量、処理時間、マイクロ波出力・発振出力など)から実際の処理量に対応する所要マイクロ波電力を比例計算により算出することで特に問題は無い。電子レンジの実験データの場合に問題となる定格高周波出力の値とは異なり、工業用マイクロ波加熱装置のマイクロ波出力は発振出力そのものを利用していることが多いからである。

但し、電子レンジの場合と同様に注意したいことは、加熱条件取得時のサンプル量が少ない場合の実験データである。工業用マイクロ波加熱装置のオーブン容積は大きく、サンプル量が数百g程度では、やはりマイクロ波吸収効率が低い領域にある。加熱実験データを得る場合のサンプル量は、実験に利用するマイクロ波加熱装置のマイクロ波出力値(発振出力:kW表示)に係数(0.5〜2)程度を乗じた値(kg)相当の負荷量としたい。

尚、本条件は食材の発泡・膨化処理、物質を高温まで加熱したい場合には適用できない。この場合、処理目的を達成するには吸収効率を犠牲にし、係数は(0.02〜0.1)程度と一桁以上小さくすることが多い。

(3) 熱量計算による所要マイクロ波電力の算出

処理量、乾燥程度などの各種処理条件が明確であれば、「所要マイクロ波電力の算出法」を利用し所要マイクロ波電力は算出可能である。以下、モデルを利用して具体的に求めてみる。

(1) 処理条件

・食材の処理量 M

100kg/h(処理前重量)

・初期含水率 kw1

Kw1=40%(湿基準)/100=0.4

・到達含水率 kw2

Kw2=10%(湿基準)/100=0.1

・水の比熱 Cw

1.0kcal/(kg・℃)

・絶乾状態食材の比熱 Cd

0.25kcal/(kg・℃)

・水の気化熱

539kcal/kg(大気圧)

・処理前温度 T1

20℃

・到達温度 T2

100℃

・マイクロ波吸収効率 η

70%(仮定)

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