マイクロ波プラズマ処理

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(3) 通信ケーブルの親水性改善

長距離にわたり敷設される通信ケーブルを保守点検するため、一定の長さ毎に気密機構を設け、その部分に圧搾空気を封入して圧力センサーを設け、圧力変化をモニターし異常を把握している。これによりケーブルの鼠害(そがい)など外的要因で異常が発生した時、この圧力の変化により故障場所が容易に特定可能となる。

この気密保持部における芯線被覆材(PE)とシール材の密着性向上を図るためプラズマ処理が利用されている。ケーブルという連続的に製造される特殊性からプラズマ処理室は2分割する構造で、ケーブルが移動して所定位置にセットされた後に閉じて、所定の処理室として機能するようになっている。図20.7.4 は、装置の外観を示し、発振出力1.5kWのマイクロ波を2分岐、プラズマ発生部を2ヶ所設けて所理効果の均一化を図っている。ケーブル外径寸法70mm程度まで処理可能で、処理時間は5〜6分/1ヶ所程度である。

図20.7.4 糸状繊維用プラズマ処理装置の構成
図20.7.4 糸状繊維用プラズマ処理装置の構成

(4) 繊維の親水性改善

布や布に織る前の連続的に走行する糸をプラズマ処理により親水性を改善することも可能であり、糸処理の場合の装置基本構成は、図20.7.5の通りである。糸は細いものなので、処理室のプラズマ真空度を確保するため処理室の前・後に予備真空室をダブルに設け、それらの間を細管で接続し糸を通すようにしたものである。

これにより処理室はプラズマ発生に適した真空度を保持することは可能である。

表20.7.1精錬法とプラズマ処理法の木綿の親水性改善効果比較(福山繊維工業試験場提供)
表20.7.1精錬法とプラズマ処理法の木綿の親水性改善効果比較(福山繊維工業試験場提供)

表20.7.1は木綿の精練(生地に付着しているセリシン、ろう物質、色素、灰分、糊などを取り除く加工)を、従来の沸騰苛性ソーダに浸漬する方法と酸素プラズマによる方法の処理効果を比較したもので、滴化法(水滴を木綿に落とし広がる時間)、沈降法(木綿の試験片が水に沈む時間)、吸上げ法(木綿の試験片に染み上がる染料水の高さ)とも、プラズマ処理法は極めて短時間で従来法と同等の効果が得られることを示している。

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