マイクロ波プラズマ処理

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高分子材料部品などへのプラズマ処理の具体的応用例の幾つかを記述する。

(1) 自動車プラスチックバンパーの処理

自動車用バンパーは価格や物性の面からポリプロピレン製が多く利用されている。これに例えば塗装仕上げすると一般的には塗料は付着しにくい。周知の通りポリプロピレンやポリエチレンなどポリオレフィン系の表面エネルギーが低い高分子は親水性や接着力が極めて悪い。この表面改質のため、表面を酸化し化学的に活性化してから使用する場合が多い。

この表面酸化法は表20.5.1 にあるように、薬品によるもの(湿式)、フレーム(火炎)によるもの(団扇などの処理に利用)などがあるが、ここでは酸素ガスプラズマでドライ処理している例を紹介する。

ポリプロピレン製バンパ−の塗装前表面改質処理装置は、処理室の直径が1900〜2200mm、長さ2200mmの円筒形で、この中に4〜6本程度のバンパーを収容し約5分サイクルで処理している(プラズマ照射時間1分)。プラズマ発生系は3系統あり、活性化されたガスを各々3分岐し合計9ヶ所から処理室内に導入、均一処理化を図っている。
本例のような大形装置の場合の処理ガスは、活性化度アップを図り寿命を延ばす必要があり、酸素ガス(O2)に10%程度の窒素ガス(N2)を混入したものを利用している。前頁の図20.7.1は酸素ガスに窒素ガスを混入した際の活性化度を示すもので、窒素ガスを少量混入すると活性化度が桁違いに大きくなり、これが活性種の延命に繋がっていると言える。

図20.7.2 バンパー用プラズマ処理装置の処理室
図20.7.2 バンパー用プラズマ処理装置の処理室

(2) ゴルフボールの表面処理

図20.7.3 はゴルフボール用処理装置の外観で、ボールの化粧塗装、マーキングの前処理を行っている。処理ガスは酸素及び窒素の混合ガスで、処理量は1バッチ当り120個を約3分サイクルで処理している。
尚、何れの処理装置でも均一処理の向上を図るため、各ポートにシャワー管を設け、被処理物にプラズマガスを均等に散布するようにしている。
更に、プラズマ発生部からシャワーまでのプラズマガス導入パイプの材質は、プラズマガスの失活防止の観点から金属製は避け、石英やガラス製のパイプを利用している。

図20.7.3 ゴルフボール用プラズマ処理装置
図20.7.3 ゴルフボール用プラズマ処理装置

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