マイクロ波プラズマ処理

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20.マイクロ波プラズマ処理

20.1 プラズマとは…?

強い電磁場或いは非常に高温の条件下にある気体は、イオンや電子及び中性粒子からなる部分的に電離した状態にあり、電気的には中性である。このような状態を「プラズマ」と呼ばれ固体、液体及び気体とも性質が異なることから第四の物質状態と言われている。蛍光灯や放電灯、自然界でのオーロラや稲妻、更には太陽・恒星などもプラズマ状態にある。

図20.2.1 マイクロ波プラズマ発生方式
図20.2.1 マイクロ波プラズマ発生方式

20.2 マイクロ波によるプラズマの生成

プラズマ放電の開始には、気体中に初期電子が存在する必要がある。初期電子はフィラメント加熱による熱電子放出、強い電界効果による冷電子放出、強い光或いは宇宙線や放射線などで励起されるなどして電離し生成される。

この初期電子に外部からマイクロ波電力などのエネルギー(電界)を加えると、加速されて高エネルギー電子となり、分子や原子と衝突しエネルギーの移動が起きる。このエネルギーの交換により中性の分子や原子はイオンと電子に電離したり、分子及び原子を励起したり、原子状のラジカルを生成したりして種々の活性状態が得られる。

この放電プラズマを持続させる放電(電離)エネルギ−の供給手段として、電波ではマイクロ波エネルギーと高周波エネルギーによるものがある。高周波放電の場合は、発振周波数13.56MHzの電波を利用するものが多く、図20.2.2 にその発生方式が示されている。コイル(誘導形) 或いは電極(容量形)の間にプラズマ発生部があって処理部と一体化されており、被処理物は高周波とプラズマ中に存在するのが特徴である。

図20.2.2 高周波プラズマ発生方式
図20.2.2 高周波プラズマ発生方式

マイクロ波エネルギーによる放電は、周波数2450MHzのマイクロ波を利用し、図20.2.1 に示すようにマイクロ波を伝送する導波管に直接石英製プラズマ発生管を挿入する方法が多用されており、既に説明した定在波導波管形加熱炉を利用している例が多い。尚、円形導波管を利用したプラズマ発生炉も使われているが半導体のCDE(Chemical Dry Etching:ドライエッチング)用、CVD(Chemical Vapor Deposition:化学的薄膜生成)及びPVD(Physical Vapor Deposition:物理的薄膜生成)用が多く、磁束密度875Gの磁界を利用した「ECRプラズマ(電子サイクロトロン共鳴)」を含め、ここでの説明は省略させていただく。

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