マイクロ波加熱の応用例

前のページへ戻る このカテゴリーのトップへ 次のページへ進む

これらの実験は小規模であり、SSPS計画が達成されるには幾つもの大きな関門が立ちは効率、直流からマイクロ波への変換効率、送信機から受信機への宇宙空間での送電効率、地上でのマイクロ波から商用電力への変換効率などをよりアップし、総合効率56%を確保するための高効率化、地上へ降り注ぐマイクロ波エネルギーに対する安全性確保、通信などへの影響など幾つもの難関をクリアする必要がある。

(3) マイクロ波非熱作用

化学反応や殺菌などを行う場合、従来の加熱方法とマイクロ波加熱の場合とでは後者の場合の方が早く、且つ十分に行われると言われている。しかしながら何れの場合も、マイクロ波による急速な内部昇温によるものではないか…?との考え方から離れず、マイクロ波処理には加熱作用以外の特殊な効果、即ち「非熱作用」が存在するかが不明確である。

この非熱作用を明確にするために同じマイクロ波エネルギーで加熱処理するのに「連続波」の場合と「パルス波」の場合とで何らかの相違点が見出せるかの実験が行われている。この実験を行う場合、当然ながら被処理物に投入されるエネルギーが同一になるよう、マイクロ波のエネルギーレベルと発生時間の積が同一になるよう制御して比較実験を行っている。このような実験装置で加熱処理を行ない、化学反応を比較したところ、パルス波の方が連続波よりも著しく反応が促進されると言われている。

これらの実験を行う場合は、連続波とパルス波の発生エネルギー量や温度など正確に測定する必要がある。特にパルス波では出力レベルとパルス発生時間の積を発生エネルギーとしているが、これはパルス波が完全な矩形波と仮定してのことであり、実際は そのような矩形波はありえず留意したいところである。

尚、実験内容の詳細については「越島編集:マイクロ波加熱技術集成、P733〜740、株式会社NTS発行」を参照願いたい。又、日本産業技術振興協会主催の「マイクロ波効果・応用国際シンポジウム」が毎年開催されており、この中で関係論文が発表されている。

連続波とパルス波

連続波は陽極電流が連続的であり(単相半波整流も含む)、パルス波は陽極電流を数nsオーダと非常に短い時間で流し、これを所定時間(1msオーダ)で繰り返し発振させたものである。「9.1.4 陽極電流の波形」で記述しているので参照願いたい。

前のページへ戻る このカテゴリーのトップへ 次のページへ進む