マイクロ波加熱の応用例

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(2) 放射性廃棄物の減容・封じ込め、その他

原子力発電所など原子力設備より排出される放射性廃棄物の容積を減少したり(減容)、放射性廃棄物をガラス状に固化し、放射性物質を封じ込めるのにマイクロ波加熱を誘導加熱と併用し利用している例がある。誘導加熱は被加熱物がある程度高温であることが必要であり、マイクロ波加熱はその予熱装置として利用されている。

この他、原子炉などに寿命がきて、それらを解体・廃棄することになるが、コンクリートなどの破壊にマイクロ波エネルギーを利用した実験も行われている。これはマイクロ波エネルギーをホーンアンテナでコンクリート面に照射、熱膨張による熱歪みで破壊しようとするものである。コンクリートにクラックが発生することは確認されているが、照射電力も5kW程度と小さく、期待したほどの結果は得られないのでは…?と思われる。無人ロボットによる機械的破砕の方が有効かも知れない。

19.3.9 その他の応用例

(1) ガラスクロス中の金属検出装置

電子回路などに利用されているプリント配線基板の基材はガラス繊維(ガラスクロス)が広く利用されている。この基板の性能・特性などの要求は、周波数特性、耐熱性、曲げ強度など各種あるが、更にガラスクロス中に存在する極めて微小な導電性異物による絶縁性低下がある。

図19.3.43 導電性物質の検出装置
図19.3.43 導電性物質の検出装置

このガラスクロス中の導電性物質類は、ガラス原料や燃料に含まれる金属、更には溶融炉の耐火材中に微量に含まれるニッケルなどが、直径が数μmのガラスフィラメントに溶け込むものである(数百本のガラスフィラメントが束ねられたものがガラスヤーンと言われ、その織物がガラスクロスと称される)。
この導電性物質のガラスフィラメントへの金属の溶け込みは極めて稀に発生するものであり、発生した場合も直径がμオーダ、長さも1mm弱と非常に小さいものである。尚、ガラスクロスにも金属片が付着することもあるが、これは洗浄することで容易に除去可能である。
この導電性物質の検出は、一般的に知られている金属検知器では、検知対象物があまりにも小さくて検知困難であり、この検知にマイクロ波エネルギーを利用したものが実用化されているので紹介する。

図19.3.44 ガラス繊維破壊状況
図19.3.44 ガラス繊維破壊状況

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