マイクロ波加熱の応用例

前のページへ戻る このカテゴリーのトップへ 次のページへ進む

19.3.7 繊維業界

(1) 中空糸の乾燥

海水の淡水化、飲料水の浄化などに使用されている中空糸の乾燥にマイクロ波加熱が利用されている。中空糸は、糸の内部に大量の水分が含まれており、従来の外部加熱方法では熱の伝わりが悪いため効率良く乾燥出来ないが、マイクロ波エネルギ−は水に良く吸収されるとともに、内部加熱である特徴から、中空糸の内部から水分を押し出し乾燥させることが可能である。

実用装置例は、走行する中空糸1本の乾燥の場合は円形導波管の共振器を利用したり、チーズ状に巻き付けられたものはバッチ式加熱炉を利用している。マイクロ波出力は、前者が十数kW、後者の装置で数kWとなっており、処理量を賄うにはこれらの装置を複数使用することになる。

19.3.8 医療関係

(1) ハイパーサーミア/ジアルテルミ−

マイクロ波加熱を利用した治療装置例として「ハイパーサーミア、ジアルテルミ−」と称する商品名の装置がある。前者はマイクロ波加熱により腫瘍などの患部を凝固して除去したり、ガンの温熱療法などに用いられる。装置の処置使用例としては
出力:10〜235W/kg。周波数:433MHz、
42.5℃程度まで加熱(30〜40分照射)
と紹介されている。
後者は関節疾患であるリューマチなどの温熱療法に利用しており、図19.3.36は概観を示し、仕様例は下記の通りである。
発振出力:100W、周波数;2450MHz、
照射距離:5〜20cm、照射時間:10〜15分

図19.3.36 ジアルテルミー
図19.3.36 ジアルテルミー

(2) 医療用廃棄物の乾燥・溶融・減容

病院などから出る“医療用廃棄物”は、180℃にて滅菌処理をしてゴミとして出すことになっているが、血液バッグ、人工透析用フィルタ−、注射器などの水分の乾燥を促進して、減容するためマイクロ波加熱を利用している例がある。

尚、生ゴミなどの水分蒸発或いは焼却して減容する場合、マイクロ波加熱を利用した装置があるが、設備価格、ランニングコスト、取り扱い性(火を扱うこと)、処理後の焼却灰の廃棄(回収業者に依頼せざるをえない)などを考慮すると、どこまで導入されるか疑問がある。

前のページへ戻る このカテゴリーのトップへ 次のページへ進む