マイクロ波加熱の応用例

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(3) ロストワックスの溶出

ゴルフ用クラブのアイアンヘッドなど精密鋳造製品などの製法は「ロストワックス法」と呼ばれる方法で作られる。これは「鋳物ツリー」と呼ばれる鋳型に熔けた金属を流し込み製品を得るもので、一度の鋳込み作業で多数の製品を得ることが可能である。

この「鋳物ツリー」は、ワックスで作られた「ワックス模型(例:ヘッドの雄型)を、ワックス製で熔けた金属が流れる湯道である「ランナー」に木の枝状に多数接着した図19.3.28 (a) のようなものである。
このワックス模型に、液状粘結剤と耐火粉末を混ぜ合わせたスラリーに浸漬し泥を付着させて(コーティング)、それに耐火砂を吹き付け(スタッコイング)乾燥する。これを複数回数繰り返し耐火材の厚さを所定寸法にすると鋳型となる。この鋳型製作法をセラミックシェルモールド法と称する。その後、何等かの熱源によりワックスを溶かし出すこと(脱ロウ)により鋳型となる。これを焼成後、熔けた金属を流し込めば精密鋳物製品が得られる。

(a) ツリー(模型とランナー)
(a) ツリー(模型とランナー)

先の「脱ロウ」工程での従来の熱源は、高温・高圧の蒸気を利用(オートレープ)することが多いが、この蒸気の代りにマイクロ波加熱を利用したものが開発されている。
マイクロ波加熱により脱ロウする場合は、内部加熱によりワックスが選択的に加熱されるが、その際ワックスが熱膨張して鋳型にクラックが入ることがしばしば発生する。これを避けるため図19.3.28(b)のようにツリーの下方から順次ワックスを溶かし出すよう、ツリーの上方からシールドカバーを被せ、脱ロウ状況を確認しながら、それを上方へ持ち上げるような工夫を採り入れている。尚、模型剤であるワックスに代えてユリア樹脂を利用する場合もある。

(b) シールドカバーとツリー
(b) シールドカバーとツリー
図19.3.28プレス内蔵加熱装置

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