マイクロ波加熱の応用例

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A 野菜などの低温の乾燥処理

本処理は真空度数十Torr程度の減圧状態にて数十℃の沸点で低温加熱・乾燥するため、風味・色素が破壊・退色せずビタミンなどの栄養価が残った乾燥野菜が得られる。乾燥後、微粉砕処理したものが、粉末野菜として商品化され、離乳食・流動食などのス−プ、ケ−キなどの色付けなどに利用されている。この場合も最終仕上げ乾燥は温風を利用している。

マイクロ波出力数kW〜数十kWのターンテーブル或いは観覧車式を利用して被処理物を移動させ均一加熱向上を図った円筒形(直径2m、長さ2m前・後)の減圧式マイクロ波加熱装置となっている。
マイクロ波エネルギーの給電は真空容器の円筒部の両側から投入してマイクロ波電界の均一化をより向上させ、真空容器内の排気は水封式真空ポンプを利用し、その間にはコールドトラップを設けポンプの排気量の低減を図っている(モータ出力の低減に繋がり、ランニングコストの低減に反映することになる)。
図19.2.3は野菜の乾燥実施例を示しており、前頁の図19.3.12は対象装置の外観(扉が開き、被加熱物を載せた観覧車が引き出された状態)を示している。

図19.3.12 減圧式マイクロ波野菜乾燥装置
図19.3.12 減圧式マイクロ波野菜乾燥装置

B 米の半アルファー化処理

水洗・浸漬した米をマイクロ波加熱処理して半煮え(半アルファー化)状態にし、乾燥袋詰めされた商品がある。この米は生煮え状態(半アルファー化)であり、食用にする場合、洗米することも無く若干の水を加え電気釜で加熱すれば、簡単で短時間に食べられるご飯に加工する(アルファー化)ことが出来る。災害時などの非常食、登山などの簡易食料用として重宝がられている。

マイクロ波出力数十kWの図19.3.13に示すコンベヤ形加熱装置が利用されており、概略工程は洗浄・浸漬した米を一定量入れた容器を定ピッチにコンベヤ上に搭載し、それらを間欠的に搬送しながらマイクロ波オーブン内(出入り口にはマイクロ波トラップ付属)を通過させマイクロ波加熱し、後工程で冷却を行い(米が入った容器内部を減圧し強制冷却)払い出しする一連の装置になっている。
尚、マイクロ波加熱・冷却後の御飯は湿り気があり、最終仕上げ乾燥はこの場合も温風乾燥装置を利用している。

図19.3.13 米α化加熱処理装置
図19.3.13 米α化加熱処理装置

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