誘電加熱装置

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17.6 マイクロ波加熱と高周波加熱のオーブン構造は共用不可能

同じ誘電加熱とは言ってもマイクロ波加熱と高周波加熱の場合、既に説明してきたように被加熱物にそれぞれのエネルギーを供給する手段は、前者はオーブン構造が基本であり、後者は電極構造となっている。何故このような使い分けが必要なのかは以下の理由からである。

(1) 箱形オーブン

高周波なりマイクロ波エネルギーを箱形オーブンへ給電するには、導波管のカットオフ周波数の関係から、共振器の場合で、図17.6.1に示されているオーブンの一辺の長さ寸法Aが、少なくとも半波長以上、一般的には2〜3波長程度以上は必要である。マイクロ波では波長が122.4mm(2450MHzの場合)なので、マイクロ波オーブンの一辺の長さは数十〜数百mm程度、大きくても数mである。この程度の寸法のマイクロ波オーブンを設計・製作することは特に難しいことでは無い。

しかしながら、高周波の場合には1波長の長さは10m〜数十m単位なので、オーブンの一辺の長さAが数十m以上と非常に大きくなってしまう。これでは机上での検討は可能だが、実際面では物理的には製作できなくも無いが、経済的に割が合わず現実的とは言えない。更に、PV値(単位投入高周波エネルギー当りのオーブン容積l/kW)も極端に小さくなってしまい、効率的な誘電加熱処理を行うことは不可能と言って良い。

図17.6.1 オーブンの場合
図17.6.1 オーブンの場合

(2) 平板電極の場合

電極にマイクロ波を供給した場合は、図17.6.2 のように電極面に波長相当の定在波が発生することにより均一加熱が不可能となる。高周波は波長が非常に長いので、例え1mの長さの電極があったとしても、電極の両端での発生電界強度の違いは小さく、均一加熱面ではあまり問題とならない。

図17.6.2 平板電極式の場合
図17.6.2 平板電極式の場合

以上の二つの理由から、マイクロ波加熱処理の場合は電極方式は適さず、高周波加熱処理ではオーブン方式が適さないことになる。

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