誘電加熱装置

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17.4 電波漏洩対策

誘電加熱装置の電波漏洩は広い範囲にわたって完全に遮蔽することは困難であり、多少の電波漏えいを伴うのが一般的である。この高周波帯域の漏洩電波は、マイクロ波帯域の漏洩電波よりも減衰し難いこともあり、この電波漏洩を少なくするには次のようなことを考慮する必要がある。

@ 給電線は同軸ケ−ブルを利用し、その長さを短くする。
A 発振機と負荷の整合を十分にとり高周波エネルギーの吸収効率を高くする。
B 電力線には鉛皮ケ−ブルを利用しても良い。
C 加熱装置は完全に接地〔A種接地(旧 第一種接地)、接地抵抗10Ω以下〕を施工する。
D 加熱装置自体をシ−ルドル−ム内に据え付ける。

尚、マイクロ波加熱装置の場合は、マイクロ波エネルギーがマイクロ波発振機、導波管、マイクロ波オ−ブン内に閉じ込められており、マイクロ波オ−ブンからの電波漏洩もコンベヤ形などの場合、被加熱物の入・出口からマイクロ波エネルギーが漏れることがあるが、適当なマイクロ波トラップ(電波吸収体、シャッター、チョークなど)を設ければ十分抑制・対応可能である。従って、シ−ルド・ル−ムなどを設けることは殆どの場合無いと言って良く、経験したことは無い。尚、マイクロ波加熱装置の接地は、D種接地(旧 第三種接地。接地抵抗 100Ω以下)となっている。

17.5 高周波加熱装置の実際

以下、高周波加熱装置の実施例について記述する。

(1) 減圧式高周波加熱装置

図17.5.1は材木の水分乾燥に用いられている減圧式高周波加熱装置である。周波数 5MHz、発振出力60kW(電源入力 120kVA)で、直径1.5m、長さ5m程度の円筒形真空容器内に4.3m3の材木を装着し、約2日間で乾燥処理している。周波数がマイクロ波に比べて1/500程度と低く、それだけ電力半減深度が大きくなるため、次頁の図17.5.2のように材木を積み上げて、その上下に平板電極を設けても乾燥ムラがあまり発生しないで処理可能なことが特長で、マイクロ波加熱の場合、電力半減深度が浅くて、このような形式での乾燥は不可能である。

図17.5.1 減圧式高周波加熱装置 図17.5.2 材木の配置状況
図17.5.1 減圧式高周波加熱装置 図17.5.2 材木の配置状況
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