誘電加熱装置

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17.3 加熱電極の種類

図17.2.2にあるように二枚の金属板の間に被加熱物を装着して、高周波エネルギ−を供給する部分である。通常これを加熱用電極と称しているが、その形状は被加熱物の形状、加熱目的などによって以下に示すような加熱用電極がある。

@ 平行平板電極 A 格子(グリッド)電極 B ロ−ラ電極
C 移動式電極 D 円筒状電極 E 不平行平板電極

このように各種の電極が利用されているが、ここでは最も多く利用されている電極について以下説明する。尚、誘電加熱を行う場合、最も注意を要する点は、マイクロ波加熱の場合と同様だが、如何にして被加熱物を均等に加熱するかということである。誘電体の温度上昇は、その部分の電界強度の二乗に比例するので、まず被加熱物(tanδ、εr)中の電界を一様にすることが重要である。更に、平行平板電極で挟んで被加熱物を処理する場合、電極の端部に電気力線が集中してしまい、一様な電界とならないので注意しなければならない。又、曲面を有する被加熱物の場合も、常に一様な電界が得られるよう電極形状を工夫しなけれならない。このように電極は被加熱物の均一加熱の決め手であり、ここに主な電極の概要を説明する。

(1) 平行平板電極

被加熱物が均質で一様な厚さの場合は、図17.2.2 及び図17.2.3 のような平行平板電極が良く利用されている。この平行平板電極は端部を除けば電界強度が一様となり均一加熱が行え、高周波エネルギーの吸収効率も良い長所がある。反面、被加熱物が電極に密着していて水蒸気が抜け難く、薄い被加熱物の場合には、静電容量が増大し内部インピ−ダンスが低下するような欠点がある。更に、水蒸気が結露して電極に水滴が付着すると、放電が発生し易い短所もある。

用途としては、木材の乾燥、プラスチックの加熱、ビニ−ルの溶着、冷凍魚肉練り製品・冷凍畜肉の解凍などに用いられている。

(2) 格子(グリッド)電極

被加熱物の厚さが薄くなると平行平板電極では静電容量が増大し内部インピ−ダンスが低下するため整合がとれないことがある。本事象は電気力線と被加熱物が結合しないからで、これを結合させるべく電極がある。

これは図17.3.1 (a) のように、同一平面上に(+)及び(−)の電極を交互に配列させて、薄物の被加熱物と電気力線を片面から結合させて加熱したり、図17.3.1 (b) のように千鳥状に電極を配列して、被加熱物内を電気力線が斜めに通るようにしたものである。これらの電極であれば被加熱物のなかを通る電気力線の長さが長くなり、効率良く加熱することが可能となる。

図17.3.1 格子 (グリッド) 電極
図17.3.1 格子 (グリッド) 電極

用途は薄物の被加熱物、例えば木材の薄板、セラミック、紙などの連続乾燥、ベニヤ板などの接着工程などである。

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