誘電加熱装置

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17.誘電加熱装置

17.1 誘電加熱装置の構成

誘電加熱装置の高周波発振回路は図17.1.1にある共振回路[共振周波数f=1/(2π)] が基本で、コンデンサC部に被加熱物を挟んで加熱するものである。誘電加熱装置(高周波加熱装置とも称する)は、図17.1.2 に示すように、高周波電源と被加熱物に高周波エネルギ−を照射する加熱電極(図では平行板電極となっている。図17.1.1のCに相当)と高周波電源と加熱電極とを結ぶ給電線などより構成されている。

図17.1.1 並列共振回路 図17.1.2 誘電加熱装置(高周波加熱装置)の基本構成図

17.2 高周波発振機

誘電加熱に利用される高周波発振機は、一般に通信用などと違い波形の歪みや雑音が問題とされることは殆ど無く必要な電力が効率良く得られれば良い。この高周波発振機で高周波エネルギ−を得るための発振管は、大電力が得られ高い周波数の発振が可能な図17.2.1 に示す三極管を主に使用している。三極管の格子(グリッド)側に一定の入力電圧を印加、これを増幅し陽極(プレ−ト)側に出力を取り出すとともに、その一部を入力電圧と同位相になるよう格子側に正帰還させると増幅器の出力は更に増大する。このような増幅・帰還をくり返す過程で、回路損失と平衡するまで増大し、回路には一定の振幅の振動が持続され、この状態を発振と言う。高周波発振機はマイクロ波発振機に比べ大電力が得られる。尚、図17.2.1に三極管「9T83」の外観を、表17.2.1に概略仕様を示している。

図17.2.1 三極管9T83
図17.2.1 三極管9T83

ヒータ 電圧 18V 寸法 全長 700mm
電流 315A 最大直径 360mm
最大陽極定格 陽極電圧 15kV 動作例 陽極電圧 15kV
陽極電流 20A 陽極電流 20A
陽極損失 150kW 陽極出力 240kW
冷却方式 蒸発冷却
表17.2.1 三極管(9T83)概略仕様
補足説明:蒸発冷却

真空管の冷却部(陽極部)を水槽内の水に漬け、加熱された陽極がヒータとなり水を沸騰させ(気化熱により冷却する)、水の沸点(100℃程度)を保持・冷却するものである。

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