マイクロ波加熱技術KnowHow

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15.2 電子レンジの定格高周波出力

電子レンジで基礎実験を行い工業用マイクロ波加熱システムの所要マイクロ波電力を算出する際に留意することは、電子レンジのマイクロ波出力は「定格高周波出力」と称し、工業用マイクロ波加熱システムの場合は「発振出力」或いは「オーブン出力」、「定格出力」などといろいろな文言を使用していることである。同じマイクロ波エネルギーを扱っているのに電子レンジは日本電子機械工業会に分会があるが、工業用では工業会などの調整機関は無く、その表現法が異なっているのである。何れの出力確認法とも「水」に吸収されるマイクロ波エネルギー量だが、定格高周波出力はビーカに入った水を、オーブン出力(定格出力)や発振出力はビーカや合成樹脂製容器に入った水、或いはダミーロードを流れる水となっている。具体的測定法は以下の通りである。

(1) 電子レンジ:定格高周波出力

JIS(C 9250)、電気用品取締法で決められている方法で、概略以下の通りである

水道水1000mlを入れた容量1000mlのビーカを2個用意し、それを電子レンジの加熱室のほぼ中央に2個並べた状態で、水温が10℃程度温度上昇する時間マイクロ波を発振させ加熱し、水の温度上昇値を求める。これを5回繰り返し、水の温度上昇値の平均値を求め、(15.2.1)式より水に吸収されたマイクロ波エネルギー量を算出する。この値を定格高周波出力と称している。従って、本値はマグネトロンから出ているマイクロ波エネルギー量そのものでは無く、後述する工業用マイクロ波加熱装置におけるオーブン出力(定格出力)と同様にオーブン内に置いたビーカ内の水に吸収されたマイクロ波エネルギーと言える。尚、JISには測定環境温度(20±2℃)、水の初期温度(10±2℃)、測定手順など事細かに規程されている。

P=8400*凾s/t(W) ・・・・・(15.2.1)

ここで、P:定格高周波出力(W)

凾s:水の平均温度上昇値(℃)

t:加熱時間(秒)

ここで加熱時間を2分(120秒)とすると(15.6.1)式は(15.2.2)式のように簡略化される。

P=8400*凾s/120=70*凾s(W) ・・・・・(15.2.2)

尚、電気用品取締法[別表第八 2(95) 電子レンジヘ]にも同様の測定方法が規定されている。

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