マイクロ波照射部

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12.2.4 共振器形加熱炉、併用加熱など

(1) 円形導波管式加熱炉
図12.2.6は、円形導波管を利用した共振器式加熱炉で、細い糸のような被加熱物を効率良く加熱することが可能である。これはTM01波(第二部にて円形導波管にて詳述)を形成する内径を持つ円形導波管を利用し円形導波管中心線上に高い電界を発生させ、その電気力線上に沿うように糸状のものを通過させマイクロ波を効率良く結合・吸収させるものである。
共振器を利用する加熱炉では、一般的には周波数特性が悪く、発振周波数を安定させて使用する必要がある(マグネトロンの発振周波数を安定化するためには、電源電圧の安定化やアイソレータの利用が必須となる)。

図12.2.6 円形導波管式加熱炉
図12.2.6 円形導波管式加熱炉

(2) 併用加熱

被加熱物の処理目的で、ある特定の条件で例えば減圧或いは加圧下、熱風・温風併用、不活性ガスのパージ下などでマイクロ波加熱処理したいことがある。このような場合、処理目的にあった設備を組み込んでマイクロ波加熱処理することが可能で、次のようなことが実用化されている。

@ 減圧加熱・乾燥

油回転式、水封式真空ポンプ或いはル−ツファンなどを利用してマイクロ波オ−ブン内を減圧・真空にすることにより、被加熱物に含まれている水の沸点を下げてマイクロ波加熱・乾燥することが出来る。尚、真空度が4.58Torr(610Pa)以下になると水分は凍結する。従って、マイクロ波凍結乾燥処理に限らず凍結乾燥の場合は、真空度を4.58Torrより低い圧力にする必要がある。

A 真空加熱/真空解凍

冷凍食品を解凍する場合、均一の解凍することは難しく一部が早く溶け出す部分が発生する。既に説明したように氷と水とではマイクロ波損失係数は大幅に異なるため一部溶けた部分がランナウェイ加熱を起こす。

これを避けるため一般的なマイクロ波解凍では最大氷結晶生成帯(−5〜−1℃程度)で処理終了させているが、これでもあまり良い結果は得られないことが多い。処理圧力条件を真空度4Torr(533Pa)より低くすると水は凍結し、固体から直接気体になる昇華乾燥領域となる。真空解凍は冷凍食品が加熱ムラで一部が温度上昇し溶け出そうとする部分を昇華現象により冷却しながら解凍するものである。この結果、最大氷結晶生成帯までの解凍の場合、マイクロ波の間欠照射などの従来方法よりは均一に解凍可能となる。

B 加圧加熱・乾燥

マイクロ波オ−ブン内を加圧した状態でマイクロ波加熱処理すると、当然ながら使用圧力相当の沸点まで被加熱物の温度は上昇する。本現象を利用することで食品の殺菌(滅菌)処理が可能となる。

尚、加圧状態から大気圧に急激に解放すると水分が突沸状態で蒸発して、ポップコーンのように被加熱物を発泡・膨化させることも可能である。

C 熱風、蒸気などの併用

被加熱物が端面効果などにより過熱した部分があった場合、その部分を冷却するため冷風を当てたり、マイクロ波オ−ブン内での結露防止や、被加熱物よりの蒸発水分の除去・促進を図るためのキャリアガスとして温風・熱風を利用したり、被加熱物が酸化しにくいように窒素パージすることも可能である。

D 含水率測定
(a) 絶乾方式

High Powerを利用し被測定物の乾燥前・後の重量を測定・演算し、水分率を表示するものである。

(b) 透過式・反射式

コンベヤ上を流れる被測定物に数十mWのマイクロ波を照射し、その部分の反射電力或いは透過電力を測定・演算し含水率を表示するものである。反射・透過電力の大きさは被測定物に含まれる水分に左右される。

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