マイクロ波照射部

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12.マイクロ波照射部

12.1 主なマイクロ波照射部の用途、構造、特徴

マイクロ波照射部は、被加熱物にマイクロ波エネルギ−を照射し加熱処理する部分だが、被加熱物の形状、性状、材質、処理目的などにより多種、多用のものが開発・実用化されている。表12.1.1 に各種マイクロ波照射部の用途、構造とその特長などを示している。この中で箱形オ−ブンは最も代表的なものであり、典型的な例が家庭用電子レンジとなる。

照射部形式 用途 構造・特長など
箱形オ−ブン方式 ブロック状被加熱物

コンベヤ方式:
・金属製箱形オ−ブンと被加熱物を搬送するコンベヤを組み合わせた照射部で、被加熱物を連続的に搬送しながら加熱処理可能である。
尚、マルチオーブンと呼ばれたり、トンネル式と称する場合もある。

バッチ式:
・電子レンジを大形にしたもので、金属性バッチ式オーブンに大形のブロック状或いは多量の被加熱物をまとめて比較的長時間加熱処理する場合に適している。この場合もマルチオーブンと呼ばれる。

導波管方式 シ−ト状被加熱物液状・紐状被加熱物

スロット導波管式:
・シ−ト状被加熱物は体積に比べて表面積が広く(放熱面積が大きい)加熱・昇温し難いが、シ−ト部に高いマイクロ波電界を集中させ効率良く加熱処理するものである[マイクロ波エネルギーの吸収度合いは電界強度の二乗に比例する。(6.1.11)式参照]。

定在波導波管式:
・導波管の終端を短絡し定在波を発生させ、電界の高い定在波の腹の位置にテフロン、ガラスなどのパイプを貫通・保持し、その管内に液体や紐状の物を通過させて効率良く加熱処理するものである。
・半導体製造工程で使用されるCDE装置などのプラズマ発生部にも多数利用されている。

マイクロ波アンテナ方式 集中照射、
その他特殊用途

ホ−ン・アンテナ式:
・導波管の先端にホ−ン状アンテナを設け、被加熱物(岩石やコンクリ−ト・ブロックなど)マイクロ波電力を集中的に照射する物である。
変形例としてピラミダルホーンと称する特殊加熱炉もある。

ラダー式/スロット・アンテナ式:
・導波管の側面にスリット設けると、その部分よりマイクロ波電力を放射することが可能で、被加熱物の一部にマイクロ波エネルギーを集中照射・加熱したい際に適している。

共振器方式 急速加熱、
損失係数の小さい材料の加熱

円形導波管式:
・単一モードの円形導波管の電界が高い中心線上に糸などを通過させ効率的にマイクロ波を吸収させるものである。
・半導体製造工程で使用されているCDE装置などのプラズマ発生部などにも共振器として利用している。

各種併用方式・その他 各種条件併用

減圧・真空方式:
・沸点などの温度処理条件を変えた特殊処理のため(凍結乾燥、沸点を下げて加熱乾燥処理)、マイクロ波オ−ブン内部を排気して真空・減圧条件で加熱処理するものである。

加圧式:
・大気圧以上の加圧状態で水を加熱すると、沸点を100℃以上にすることが可能となり、殺菌などの処理が可能となる 。

熱風・蒸気などの併用:
・マイクロ波オ−ブン内に熱風や蒸気を供給したり、窒素など不活性ガスなどでパージしながら加熱乾燥処理することも可能である 。

測定器

含水率測定:
・マイクロ波電力を照射しながら被加熱物の重量を連続的に測定して、そのデータから含水率などを算出するものである。
・被測定物にマイクロ波を照射して、被測定物よりの反射電力或いは通過電力をモニターし、含水率を表示するものである 。

表12.1.1 マイクロ波照射部の種類とその特長
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