マイクロ波応用機器

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11.5 スライド導波管

マイクロ波加熱装置で接続導波管などが発生熱によって膨張し無理な力が加わることがある。このような導波管が伸びたり、縮んだりする箇所で使用可能なのがスライド式導波管である。これは導波管を二つに分けて、雄・雌嵌め合う構造として、その挿入量が変えられるものである。
全長約250mmのスライド導波管で、接続フランジ間寸法を50mm程度変えられる。尚、雄・雌導波管の嵌合部の電波漏洩防止は、λ/4チョークを利用している。図11.5.1にスライド導波管の構造を示す。
このような構造の導波管機器を利用する場合、その部分での反射波の発生、即ちVSWR値がなるべく小さい方が良いのは当然である。このような導波管の設計ポイントは図11.5.2 にあるように導波管の内側への出張り部の寸法が概略「λg/2*N」(N:1,2,3・・・の整数)になるよう設定すると整合が図られ、本機器の場合のVSWR値は「1.15程度」が得られている。

図11.5.1 スライド導波管の構造
図11.5.1 スライド導波管の構造

11.6 マイクロ波切替器

1台のマイクロ波発振機と複数のマイクロ波加熱炉を有していた場合、使用したい加熱炉へのマイクロ波エネルギー供給をスイッチ操作で簡単に出来るものがあれば便利である。本条件を満たすのがマイクロ波切替器である。本器は図11.6.1 のように回転ガイド導波管を回転させ、給電端子部と所望の加熱炉とを接続するための切替スイッチのようなものである。投入電力5kWでも問題無く利用可能で、複数の実験設備などがある場合には便利である。但し、マイクロ波発振中の切り替え操作は放電発生の要因となり不可能である。
給電端子側1台に対して、加熱炉の接続数量は2台、3台、4台までは製作可能だが、一般的には2台及び3台となろう。
尚、実際の例では手動操作の他、エアシリンダ、検出スイッチ、押釦スイッチなどを組み合わせて遠隔操作で切り替えることも行われている。

図11.6.1 マイクロ波切替器
図11.6.1 マイクロ波切替器

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