マイクロ波加熱

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E 設備費が比較的高い。

従来の外部加熱方式による装置に比較すると、電子管であるマグネトロン、三極管などを使用するため、それ用の電源を必要としたり、加熱炉よりの電波漏洩防止策を講じたりするため、設備費は比較的高価ととなることは否めず、従来の熱風炉などの価格と比べると設備の構造にもよるが数倍と高いものとなる。本点の対策の具体策というものは考え難く、従来の加熱装置との単純な価格比較を行うのではなく、誘電加熱及びマイクロ波加熱の得がたい特長の評価を、如何にコストに反映させるかがキ−・ポイントとなる。

更に、マイクロ波加熱のみでの処理を考えずに、マイクロ波加熱の処理効果を考慮して、所要マイクロ波電力を小さくするよう外部加熱方法との併用を考えることも重要な検討点である。

F 磁場、X線への対策が必要な場合がある。
(a) 磁場

マイクロ波管やアイソレータでは電磁石や永久磁石を使用しており、物によっては0.06テスラ程度の強力な磁場が使われている。心臓用ペースメーカなどを利用されている方には、加熱装置の取扱い作業に従事することは避けていただくことになる。更に時計・精密測定機器などの指示値を狂わすこともあり、磁場発生部付近(主に出力1.5kWマグネトロン、出力5kW発振機の電磁石など)で作業を行う場合、時計は外して、携帯電話を含む精密測定器は磁場発生部から遠ざけて作業を行っていただきたい。

尚、マグネトロンへの磁界を得るには一般的にはフェライト製永久磁石が使用されており、鉄系工具を永久磁石に吸着させないよう注意して欲しい。永久磁石の着磁力が低下し、発振条件が狂う恐れがある。

(b) X線

使用するマイクロ波管によって10kV以上の非常に高い直流電圧を利用するものがあり、軟X線が発生するが、対象部は基本的に金属筐体で収容されているため外部には殆ど漏れてこないと言える。尚、使用条件により鉛板などを利用し遮蔽を行う必要があるが、この場合専門家に評価依頼することをお勧めする。

但し、2450MHzのマグネトロンに使用する直流電圧は「出力1.5kWクラスで約4kV」、「出力5kWクラスで約7kV」、915MHz用のそれは十数kVなのでX線については考慮する必要は無い。

尚、クライストロンを利用する場合は、数十kVの直流電圧を印加するので注意が必要であり、メーカのアドバイスを受けて欲しい。

G マイクロ波領域での正確な温度や電界強度の測定が困難である。

マイクロ波加熱中の被加熱物の温度を連続的に測定することが、マイクロ波電界の影響を受けない安価で適当な温度センサが無く困難である。予算があれば蛍光式ファイバー温度計の利用が考えられ、その他の具体的な対処内容については、第二部で詳しく説明している。又、電界強度についても具体的測定手段は無いと言える。

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