マイクロ波加熱

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6.1.4 誘電加熱の理論式

電界の中にある被加熱物である誘電体(絶縁体)が誘電加熱により発生する熱量の関係式を以下求めてみる。図6.1.4(a)のように電極間の距離がdで、無限大の広がりを有する平板コンデンサの中の単位面積の部分について考える。

電極間を真空にして電極間に電圧Vを印加する。このとき電極に発生する表面電荷密度をσ1、電極間の電界強度をE、真空の誘電率をεοとすると(6.1.2)式、(6.1.3) 式のような関係になる。

σ1=εο・E ・・・・・ (6.1.2)

E=V/d ・・・・・ (6.1.3)

このコンデンサに誘電体を満すと誘電体は電界のため誘電分極(配向分極)し、誘電体表層面に−P、+Pという電荷が発生する。そして、これを打ち消すため電極に、図6.1.4 (b) に示すように+P、−Pという電荷が追加され、このために電極上の電荷量σ2は、その誘電体の比誘電率εrに比例し(6.1.4) 式の通りとなる。

図6.1.4 誘電体損失
図6.1.4 誘電体損失

σ2=σ1+P=εο・E+P=εο・εr・E ・・・・・ (6.1.4)

誘電体を電界内に置くと、誘電体のいたるところで電気的平衡状態から歪が生じて、それらの総和として誘電体の表面に電荷が発生するのであるが、マイクロ波・高周波領域での加熱に寄与するのは既述のように配向分極である。この配向分極は、もともと分子で永久双極子を有するH2O,H2Sなどの物質の場合に、電界が印加されることにより永久双極子が電界の方向に整列して生じるものである。

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