マイクロ波加熱

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6.1.3 永久双極子について

各分極について概要を説明したが、これらの4種類の分極の中で高周波或いはマイクロ波領域で発生する分極は既に記したように“配向分極”となっている。配向分極は、分子構造上正・負の電荷の中心が偏位していて、分子自身単独で電気的双極子を有している永久双極子によるものである。例えば、図6.1.3 に示すような水(H2O)の分子構造のような場合には、一個の水素原子(H+ )と二個の酸素原子(O--)が非対象で結合しており、水素原子は“正”に、酸素原子側は“負”に帯電する。つまり、水分子は“正”と“負”の電気の極を有しており、これを“永久双極子”と称している。その偏位角度を原子価角と呼ばれ、主な物質の原子価角は表6.1.2 の通りである。本表のCO2のように原子価角が180°の場合は誘電加熱されないが、それ以外の分子については多かれ少なかれ誘電加熱されることになる。

分子 原子結合 原子価角
2 H-O-H 104°30′
CO2 O-C-O 180°
2 H-S-H 92°12′
NH3 H-N-H 106°42′
3 O-O-O 116°48′
66 C-C-C 120°
CH4 H-C-H 109°28′
38 H-C-C 112°24′
表6.1.2 分子内における原子価角
図6.1.3 水(H2O)の分子構造モデル
図6.1.3 水(H2O)の分子構造モデル
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