誘導加熱

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5.7 IHのアルミニウム製鍋の利用

“誘導加熱”は、半導体を含めた金属などの導体を高周波電界内に配置すると、導電体がうず電流発熱(電磁誘導現象により発生する渦電流によるジュ−ル熱)とヒステリシス損(交番磁界内に磁性体を置くと発生する発熱現象)により発熱することは既に記述した。

最近では「IH(Induction Heating)クッキング」と称し電気釜、電磁調理器などの熱源として安全を売り物にし多用されつつある。概略構造は図5.7.1 に示すように、渦巻状に巻いた磁力発生コイルに20kHz程度の高周波電流を供給するとトップレート上の鍋底にうす電流が発生し、ジュール加熱により鍋底が加熱されて、鍋内の食品を加熱するようになっている。一般的に周波数は20kHz程度を利用しているが、この周波数の場合、鉄系鍋(ホーロー鍋含む)や磁気系ステンレス鍋しか利用できず、アルミニウム、ガラス、土鍋などは利用できない。

図5.7.1 電磁調理器の断面図
図5.7.1 電磁調理器の断面図

尚、周波数を3倍アップし60kHzの高周波電流を流すものが開発・商品化されており、アルミニウム製鍋でも使用できるようになっている。これは周波数をアップし、鍋底に流れる電流の浸透深さを浅くして電流が流れる面積を小さくしている。この結果、同じ電流値であれば、単位面積当りの発熱量が大きくなるためアルミニウム製鍋でも料理用として利用可能にしたものである。

図5.7.2 電磁調理器の斜め断面図
図5.7.2 電磁調理器の斜め断面図

当然、このように供給周波数を高くするとコイルに流れる高周波電流の浸透深さも浅くなり発熱してしまうことになる。そのため使用する電線の太さを細くして、電線の使用本数を増やすことにより断面積を大きくし、必要電流を確保するよう工夫している。

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