誘導加熱

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5.2 電流の浸透深さδ

前記渦電流は金属棒のコイルに近接している部分に誘導されるが、電流は金属棒の表面に近い層ほど強く、内部にゆくにつれ弱くなる、所謂「表皮効果(skin effect)」があり、図5.2.1、図5.2.2 はこの状況を示した図である。図5.2.1 は図5.1.1 の横断面を示しており、図5.2.2 は浸透深さを示したものである。

図5.2.1 表皮効果と電流の浸透深さ
図5.2.1 表皮効果と電流の浸透深さ

図5.2.2 電流の浸透深さ
図5.2.2 電流の浸透深さ

ここで金属の内部を流れる電流は、表皮効果により導体内部に浸透するが、その浸透深さは導体の材質及び周波数に左右される。電流は図5.2.2 に示すように金属表面より内部に浸透するに従って指数関数的にその大きさは減少するが、電流が金属表面での強さの「1/e」(=1/2.718=0.368)に減少するライン「A」との交点までの深さを各々の周波数での電流の浸透深さ(Penetration Depth)と称して、一般的には“δ”で表し、(5.2.1)式より算出できる。

δ=

・・・・・(5.2.1)

ここで、

ς:導電率(S/m)(ジーメンス毎mと呼ぶ)

μ:透磁率。 非磁性体の場合μο=4*π*10-7(H/m)

ω:2*π*f

f:周波数(Hz)

となる。

ここで電流が金属表面における強さの約37%に減少する浸透深さ(δ)の意味δ層内で浸透高周波エネルギーの約87%が発熱吸収することを表わしており、誘導加熱の状況を知る目安となる値である。

☆補足説明:浸透深さδ部での発熱量約87%の算出

・浸透深さδに達するエネルギー量W=V*I=I2*R

本式で抵抗Rは物性値で、浸透深さδに達する電流Iがエネルギー量を左右することになる。

W=(0.368*0.368*R)*100

=13.5(%)

・金属表面から浸透深さδまでの発熱量=100−13.5=86.5(%)となる。

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