誘導加熱

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5.誘導加熱

5.1 加熱原理

図5.1.1 のように被加熱物である金属棒の周りにコイルを設け、これに高周波電流を流すと短時間で金属棒表面が赤く加熱される現象が見られる。この発熱はジュール発熱(抵抗加熱)及びヒステリシス損失により発生する現象である。

@ ジュール発熱(抵抗発熱)

図5.1.1でコイルに高周波電流を流すと強い交番磁場が形成され、電磁誘導現象により金属棒に交番磁束が貫通し、非常に密度の高い電流(「渦電流」と称する)が誘起され、ジュール発熱(抵抗加熱)によって金属棒自身が加熱される現象である。

図5.1.1 誘導加熱の原理
図5.1.1 誘導加熱の原理

A ヒステリシス損失

図5.1.1 でコイルに高周波電流を流して磁性体の金属棒に交番磁界Hを与えた場合、金属棒には磁束Bが生ずる。この磁束は高周波電流に応じて変化し、その過程で磁界Hを増す場合と減らす場合とでは、磁界Hが例え同じ値であっても磁束Bの値が違ってくる。図5.1.2 はその状況を示したもので、これを「ヒステリシスループ」と称している。このループ内の残存磁束は金属棒を加熱するのに寄与、言い換えれば損失となり発熱するのがヒステリシス損失による発熱である。

図5.1.2 ヒステリシスループ
図5.1.2 ヒステリシスループ

従って、抵抗が大きく、磁性体である金属材料、例えば鉄鋼・ニッケル・ニクロム線などは非常に良く加熱されることになる。

本稿で扱うマイクロ波加熱装置では鉄などの発錆し易い材料を殆ど利用しないので詳細な説明は省略する。

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