電磁波加熱

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4.電磁波加熱

電波を利用して物質を加熱する方法を一般的に“電磁波加熱”或いは“電波加熱”と称している。その中でも周波数の低い領域を利用し金属や半導体などを加熱するものを“誘導加熱”と言い、周波数の高い領域を利用し誘電体(絶縁体)を加熱するものを“誘電加熱”と呼んでおり、マイクロ波加熱はこの分類に入る。

尚、表4.1.1 にこれらの分類を纏めたものである。

大分類 小分類 使用周波数 用途
誘導加熱 低周波誘導加熱 50/60Hz 金属の溶融
高周波誘導加熱 〜500kHz 金属の焼入れ
誘電加熱 誘電加熱(高周波加熱) 1MHz〜300MHz 誘電体(絶縁体)の加熱
マイクロ波加熱 300MHz〜30GHz 誘電体(絶縁体)の加熱

*誘電加熱を高周波加熱と称する場合もある。

表4.1.1 電磁波加熱の分類

4.1 誘導加熱

“誘導加熱”は、比較的低い高周波電界中の金属や半導体内部でのジュール発熱及びヒステリシス損失によって発生する発熱現象である。最近流行りの「IHクッキングヒータ」と称している家電製品である電気釜、電磁調理器なども誘導加熱を利用したものである。更に、「過熱水蒸気」を利用した調理用家電製品もあるが、これは発生させた蒸気を誘導加熱された高温の焼結発熱体の中を通過させ、より高温に加熱し、過熱水蒸気としたものが多い。

ジュール発熱及びヒステリシス損失については次項にて説明する。

4.2 誘電加熱

“誘電加熱”は、高周波電界中の誘電体(絶縁体)の誘電損失現象を利用して加熱するもので、マイクロ波加熱は既に記したように“誘電加熱”現象に含まれるが、周波数が2桁も高くなるため(波長が2桁も短い)加熱方法、発振方式、使用機器など誘電加熱(高周波加熱)とは相当異なっており、マイクロ波加熱と誘電加熱に分類している。本資料では、主にこの“誘電加熱”の中の“マイクロ波加熱”について詳細に説明し、高周波誘電加熱については、経験も少ないため基本的な加熱方法のみの記載に止めている。

尚、世の中の文献などには、誘導加熱の場合の高周波加熱と誘電加熱の場合の高周波加熱と混在して使用しているものが意外と多くて誤解を生むことがある。同じ高周波加熱でも金属加熱用と誘電体を加熱する場合とを明確に使い分ける必要がある。

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