マイクロ波の性質

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3.3 マイクロ波が物質に照射された場合の現象

マイクロ波は光と同じ速度で空間を伝播して、物質に当たると“反射、透過及び吸収”の異なった現象起こす。図3.3.1 にはそれらの状況をモデル的に示している。マイクロ波エネルギーが金属或いは誘電体に当った場合、その挙動は基本的に金属では反射となり(極めて少ないが誘導加熱による吸収もある)、誘電体では反射・透過・吸収と異なる。更に、同じ誘電体であってもマイクロ波損失係数(εr*tanδ。6.項で詳細は記述)が大きい場合と小さい場合とでは、反射・透過・吸収の度合いが異なる。各図の説明は以下の通りである。

図3.3.1 金属・誘電体に当たった場合のマイクロ波の挙動
図3.3.1 金属・誘電体に当たった場合のマイクロ波の挙動

@ 金属に当たった場合:図3.3.1 (a)

マイクロ波エネルギーは金属に当たると殆ど反射するが、ごく一部は次項にて説明する誘導加熱により吸収される。しかしながら、その消費エネルギ−量はマイクロ波帯域であれば極めて微少であり、誘電体などの物質の加熱という面のみを考慮するのであれば無視して何ら差し支えない。尚、温度測定など精度を確保するなど特定の使用条件の場合は考慮する必要がある。

A 誘電体(損失係数:小)に当たった場合:図3.3.1 (b)

テフロンのような損失係数(εr*tanδ)が極く小さい誘電体は、マイクロ波エネルギーはあまり吸収されずに(誘電体自身では若干加熱される程度)殆ど透過する。誘電体の両面で(空気と誘電体の境界面で)マイクロ波エネルギーは若干の反射が発生する。

B 誘電体(損失係数:大)に当たった場合:図3.3.1 (c)

マイクロ波は誘電体に殆ど吸収され(誘電体の損失係数の大きさに左・右される)誘電体自身を加熱し、吸収されなかったマイクロ波電力は透過する。この場合でもマイクロ波は物質の両面にて反射し、その程度は損失係数が大きいほど反射率は大きくなる。尚、マイクロ波が物質表面に入射する角度によって反射率は変化するが、詳細は省略させていただく。

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