マイクロ波の性質

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3.2 マイクロ波(電波)の性質

ここではマイクロ波を含む電波の一般的な性質について記述する。

@ 反射

電波の進行方向に障害物が存在した場合、障害物で反射する現象で、障害物が金属であればほぼ全反射するが、誘電体(絶縁体)の場合は空気層との境界で電波の一部が反射し、残りは透過及び誘電体に吸収される。尚、アマチュア無線では電波が山などで反射することがあり、アマチュア無線家の間では、「丹沢反射」、「富士山反射」という文言も使われている。図3.3.1 は以上の状況を表わしている。

A 散乱

誘電体からなる障害物に入射した電波(一次波)により、その誘電体内の電荷が励振され、アンテナのように電波を放出(散乱波と称す。一次波に対して二次波とも言う)する現象。

B 回析

電波の進行方向に障害物が存在した場合、その反対側にも電波が廻り込む現象を言う。紫外線、赤外線、可視光線では電波より廻り込みが少なく、物質の殺菌・加熱する場合、影となった部分は殺菌・加熱に寄与しないことになる。

C 干渉

複数の電波が存在した場合、それらの電波同士が同一位相であれば強め合い、逆位相になれば弱め合うように合成される現象を言う。導波管内の電波やレーザのような光の場合には顕著に現れることがある。

D 屈折

空間を伝播する電波の進行方向に比誘電率を有する誘電体が存在し、電波の一部が通過した場合、その物質の比誘電率に対応して屈折する現象を言う。

E 定在波

直進している波と反射により戻ってきた波が重なり合い腹と節(又は、山と谷)からなる波を定在波と称する。前記干渉により合成された波も一種の定在波と言える。

F 指向性

電波を導波管から放射した場合には導波管の管軸方向に広がりながら直進する。このような波の伝播は指向性が強いとはいえない。パラボラアンテナやダイポールアンテナなどは指向性をアップするためのアンテナと言える。棒状アンテナであれば電波は全方位に伝播することになる。

精密加工に利用されるレーザは、赤外線で波長が極めて短かく位相も揃っているため、あまり広がることなく直進するが、このような場合に指向性があると言える。従って、エネルギー密度は殆ど減衰せずに進行する。本稿で扱う加熱用マイクロ波ではこのような指向性は殆ど期待出来ないと言える。

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