電磁波と電波

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前頁の表1.1.1 は各種加熱方法と電磁波の種類及び波長を纏めたものである。尚、右欄の光子エネルギー量は参考までに記載したもので、光子エネルギーのレベルによる物質への影響は次のようなことが言える。

@γ線・X線

エネルギーレベルが非常に高くて、物質内を透過する過程で遺伝子(DNA)を破壊する作用を有するものの加熱及び化学作用などは殆ど無いと言える。利用する場合は、厳しい放射線管理が必要である。尚、γ線・X線は医療用器具や食品の滅菌・殺菌に有効と言われており、海外ではγ線や電子線(EB)を利用した殺菌装置が使用されている。我が国では、医療用器具の殺菌には利用されているが、食品の殺菌は核アレルギーという背景もあり「馬鈴薯の芽止め処理」のみが認可されているものの、それ以外は認可されていない。尚、スパイスについては許認可申請中と言われている。

A紫外線

赤外線のような加熱作用は殆ど無く、化学作用が強い。この化学作用は分子の変化を意味するが(DNAへの影響)、その変化を促すには一定の光子エネルギーレベルが必要であり、紫外線が持つ光子エネルギー数eVなら十分なエネルギーレベルと言える。尚、化学作用の効果は紫外線の波長が短いため物質の極めて表面にしか寄与しないことになる。

B赤外線

赤外線は光子エネルギーのレベルも低くて化学作用は無く、熱作用が強く出てくる。即ち、赤外線は物質に吸収されても分子にダメージを与えるような変化を与えずに、ただ分子の運動エネルギーを上げ熱エネルギーとなるだけである(温度上昇することを意味する)。

尚、岩盤浴などで遠赤外線(波長6〜15μm程度)が人体深部まで素早く加熱可能というのは、近赤外線(波長0.75〜3μm程度)の浸透深さ数μmに比べ、それが数十μmになる程度であって、マイクロ波加熱から見れば「五十歩百歩」ということになる。

Cマイクロ波

赤外線より更に光子エネルギーレベルは低く、当然ながら分子にダメージを与える作用は無い。永久双極子に作用し物質の温度を上昇させる作用、所謂「誘電加熱」となる。尚、マイクロ波より波長が長い高周波を利用した高周波(誘電)加熱も「誘電加熱」となる。

☆補足説明:

*主な電磁波・電波の波長(λ)

・商用電源:50Hz…6000km,60Hz…5000km

・高周波誘電加熱:22.1m(13.56MHz)

・電子レンジ(マイクロ波加熱):122.4mm(2.45GHz)

・レ−ザ:YAGレ−ザ…1.06μm,CO2 レ−ザ…10.6μm

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